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NCS情報マガジン〈八宝菜〉 No.031 2006/09/27
日本コンピューター・システム株式会社
http://www.ncs.co.jp/newsletter/
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NCSの〈八宝菜〉です。朝晩は、かなり過ごしやすくなりました。テレ
ビの天気予報によれば、なんでも今年八月の大阪の平均気温はマニラよりも
高かったそうで、びっくり仰天です。大阪のNCS本社では、空調の利いた
屋内でも汗が垂れてくるような日が何日もありました。みなさんは、今年の
猛暑でお身体を壊したりなさっていませんでしょうか?
ところで、みなさんは、あちこちのウェブサイトで提供されているRSS
をご利用になっていますか? NCSウェブサイトでは2003年の12月
から提供しています。最初のころは、ウチはIT企業だというのに、身内の
社員からも「あれはいったいなにに使うの?」などと訊かれていたものです
が、その後ブログが爆発的に普及したおかげで、かなり認知は進んだようで
す。
とはいえ、それでもまだ、RSSをなんらかの形で利用しているのは比較
的ITリテラシーが高い人に限られているのも事実のようで、調査によって
多少数字は上下しますが、現時点でのRSS利用者は、十数パーセントにす
ぎません。
でも、この状況が近々劇的に変化することは、火を見るよりもあきらかで
す。現在でも、RSSリーダーを内蔵したウェブブラウザはすでにいくつも
ありますが、最大のシェアを持つ Internet Explorer の次期バージョン、
Internet Explorer 7 には、ついにRSSリーダーが内蔵されるからです。
現時点で入手できる公式出荷前の最新ベータ版を見るかぎりでは、ウェブブ
ラウザの機能とRSSリーダーとが継ぎ目なく統合されていて、これなら初
心者でも簡単に使えそうです。
といいますか、Internet Explorer 7 が初めて使うブラウザになるこれか
らの多くの初心者は、「ウェブサイトというのはこういうもの、ブラウザと
いうのはこういうもの」と思って、RSSフィードを受けているという意識
すら持たないかもしれないですよね。パソコンを使いはじめたばかりの人は、
まず絶対と言っていいほど、どこかのブログを読みにいってみるでしょうか
ら、「ウェブサイトというものは、更新があったら手元ですぐわかるように
なってるんだー、へー」などと、最初に思い込むかもしれません。自分でも
なんだかよくわからずにウェブページのあちこちをクリックしているうち、
RSSのなんたるかを自然に発見してしまう人も少なくないことでしょう。
Internet Explorer 7 によってRSS利用者人口が激増することで、米国
に少し遅れて、日本でも、RSSを単なる更新情報の要約を配信する簡易手
段としてだけではなく、それそのものを情報配信媒体、広告媒体として利用
するビジネスが本格的に立ち上がってくるはずです。
RSSがeメールと同じくらいに一般的なものになる日は、すぐそこに迫っ
ています。NCSでも、もう少し面白い使いかたを考えてみたいですね。
(編集長)
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今号(第31号)の内容
★ NCSニュース
★ 連載コラム『みちこのIT活用講座』
第8章 “IT経営(1)”
★ セミナー・イベント・展示会等のご案内
■『 UML & PatternWeaver セミナー
〜 技術に品格が求められる時代の
“見える化”ソフトウェア開発 〜』
★ ITエッセイ『たじたじ争論』
第三一回「クラウドソーシング crowdsourcing」
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売れ残った商品の扱いに、いったい、どれだけの時間を費やすのですか?
アパレル専門店のMD支援は、〈MD.Creator〉が“5適”を満たします!
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★ NCSニュース ―――――――――――――――☆
――〈お知らせ〉――
■全自動・手ブレ&ピンボケ修正アルゴリズム群[テピンオート]を開発
弊社は、全自動・デジタル画像鮮明化手法(アルゴリズム群)[テピンオー
ト」を開発し、2006年6月8日に、国際特許出願を行いました。
「テピンオート」は、「画像ザラツキ度値・計測」、「光子拡散逆算法・
画像鮮明化」、「手ブレ状態・推測」などのアルゴリズムで構成されていま
す。複雑なパラメータ入力は一切不要で、低解像度、ピンボケ、手ブレ等が
原因の不鮮明なデジタル画像に対する鮮明化処理をパソコン等により行うこ
とができます。
医療、セキュリティ、報道、ホビーなど、デジタル画像・映像に関連する
さまざまな分野で幅広い応用の可能性を持つ技術であると弊社では考えてお
り、技術供与先を募っております。
詳しくは、「NCS技報オンライン」の「イノベーション」コーナーをご
覧ください。
▼「NCS技報オンライン」> イノベーション
http://www.ncs.co.jp/tech/ncs-tech-innovation-right.htm?code=hps031
■オープンソース時代の企業システム選択ポータル「ThinkIT」(インプレス
グループ)にて、弊社社員・新保康夫(本部企画室 コンサルタント)が、
『今こそ再考するアジャイル開発』を連載しております(有限会社アッズー
リ・取締役社長/アジャイルプロセス協議会副会長 濱勝巳氏とのコラボレー
ション)。
第1回「アジャイル開発を問い直す」
http://www.thinkit.co.jp/free/article/0608/3/1/
第2回「アジャイル開発のメリット 〜 ユーザのメリット」
http://www.thinkit.co.jp/free/article/0608/3/2/
第3回「アジャイル開発のメリット 〜 ユーザとベンダー共通のメリット」
http://www.thinkit.co.jp/free/article/0608/3/3/
――〈NCSウェブサイト・最近の更新内容〉――
■「NCS情報セキュリティ方針」を改訂しました。
http://www.ncs.co.jp/is/information_security_policy_declaration.htm?code=hps031
■「個人情報保護方針」を改訂しました。
http://www.ncs.co.jp/company/privacy1.html?code=hps031
■「投資家情報」に、以下の最新情報を掲載しています。
http://www.ncs.co.jp/ir/index.html?code=hps031
●「ディスクロージャーポリシー」を公開しました。
●財務情報
・平成19年 3月期 第1四半期財務・業績の概況(連結)
●IRレポート
・第40期 事業報告書
・第40期 有価証券報告書
●お知らせ
・単元株式数の変更に関するお知らせ
■「商品紹介」 http://www.ncs.co.jp/nh-10-2.html?code=hps031
「ソリューション&サービス・メニュー」に、以下の商品を加えました。
・《ファイブライト》シリーズ
アパレル専門店向け本部システムパッケージ
マーチャンダイジング支援システム〈MD.Creator〉
http://www.ncs.co.jp/solution/sol05.html?code=hps031
■トータルホテルシステム〈NEHOPS〉の詳説ページを開設しました。
http://www.ncs.co.jp/solution/nehops/index.html?code=hps031
■外食トータルシステム〈料理人(シェフ)〉の詳説ページを開設しました。
http://www.ncs.co.jp/solution/chef/index.html?code=hps031
■ホテル宿泊予約ASPサービス〈i-honex〉の詳説サイトを開設しました。
http://www.hotel-ibe.com/index.html?code=hps031
★NCSウェブサイトでは、更新情報のRSSを提供しています。NCSか
らのお知らせを迅速にキャッチしていただけます。ぜひご活用ください。
http://www.ncs.co.jp/rss/index.html?code=hps031
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★ 連載コラム『みちこのIT活用講座』 ―――――――――――――――☆
第8章“IT経営(1)”
書店や文具店の店頭に、新しい手帳やカレンダーが並ぶ季節になりました
ね。朝晩冷え込む日が多くなってきましたが、みなさまお風邪を召していま
せんか。台風に負けない勢いで、今回も元気に「IT活用講座」をお届けし
ましょう。
今回のキーワードは、“IT経営”です。
毎年10月は、経済産業省をはじめとする関係省庁で構成されている「情
報化月間推進会議」が中心となって、「情報化月間」
( http://www.jipdec.jp/gekkan/ )と定められています。10月には情報
化にちなんだ様々な行事が実施されます。
情報化月間には、テーマというか副題のようなキーワードが設けられるの
が恒例となっています。今年は、「改革への新たなる挑戦〜IT経営による
生産性の向上〜」。「IT経営」という言葉が登場しました。
新聞や経営者向けビジネス雑誌等でも、たまに見かけるようになりました
この言葉。「IT経営って何?」というご質問を受けることが増えてきまし
た。
実は連載の最初の頃に書いたことなのですが、自社の経営戦略に沿ったI
T活用をしていくことです。まず、自社が3年後にどうなりたいかを考え、
その実現のために何が必要か、必要なものの中でIT活用できることは何か、
を考えていきます。
これは、例えばパソコンを全社員分買ってきたぞとか、会計システム入れ
てるから大丈夫とか、そういうことではありません。社員ひとりひとりや部
門ごとに最適化して、おしまい、ではなくて、会社全体として最適化するこ
とが重要です。
このようなお話をしますとね、「うちみたいな会社にはITなんていらな
いんだ」、「パソコンを使える人間がいないから、買ってもしょうがない」、
「難しいことは分からない」とおっしゃる中小規模企業の方がいらっしゃい
ます。
このメルマガを読んでらっしゃる読者のみなさまは、電子メールを読んだ
り、Webサイトを訪れたりということをなさっている方でしょうから、お
分かりだと思いますが、「ITなんて自社には関係ない」と思っているうち
に、気がついたら周りはすでにIT化が進んでいて、自社は取り残されてい
るといったことになりつつあります。
この辺りの環境の変化については、次回お送りいたしましょう。この機会
に、バックナンバーも読み返していただけますと、幸いです。
今回はここまでです。またお会いしましょう。
(本部企画室 企画・コンサルティンググループ
山中美智子/ITコーディネータ)
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― 「ニニニニ ――――――――――――――――――――――――――――
|| ∩ ∩||
|| ー || ご相談ください IT経営のお手伝いを。
ニニニニ」
━┷┷━ _ 中小企業「だからこそ」できる目から鱗のIT活用を、
[圭圭圭圭圭] ヽ ITコーディネータ有資格者がご指南いたします。
ノ consult@ncs.co.jp
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★ セミナー・イベント・展示会等のご案内 ――――――――――――――☆
■『 UML & PatternWeaver セミナー
〜 技術に品格が求められる時代の
“見える化”ソフトウェア開発 〜』
●詳しくはこちら↓
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ソフトウェア開発技術者の共通意思疎通基盤として、その普及にはますます
拍車がかかりつつある UML(Unified Modeling Language)について、下記の
三点を中心にお話しいたします。また、UML モデリングツールとして定評のあ
る「パターンウィーバー PatternWeaver」を併せてご紹介します。
・ UML を実践的に活用する際のポイント
・ UMLとモデリングの活用例(SOA、内部統制、オフショア開発等への活用)
・ UML 関連の最新動向
【日 時】 2006年10月 5日(木)13:30 〜 16:30
【会 場】 大阪市中央区城見1−3−7 松下IMPビル 16F
日本コンピューター・システム株式会社
本社 セミナールーム
【主 催】日本コンピューター・システム株式会社
【共 催】株式会社テクノロジックアート
【定 員】30名様
【参加費】無料
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★ ITエッセイ『たじたじ争論』 ―――――――――――――――☆
第三一回「クラウドソーシング crowdsourcing」
今回のお題は、できてからまだ半年ほどしか経っていない言葉ですが、I
T業界の動向に敏感な人たちのあいだでは、すでに説明抜きで通じるほどに
普及しつつある今年のヒット(?)のひとつです。すんなり普及してしまう
ということは、その言葉が指す“なにものか”を、以前から大まかには把握
している人が大勢いたということですね。手っ取り早く言いますと、これは
outsourcing をもじって作られた言葉で、特定の企業やサービス提供者に
outsource するのではなく、不特定多数の“群集”に仕事をアウトソースす
ることを指します。言い出しっぺは、これまた〈ワイアード〉誌
( http://www.wired.com/wired/ )の編集者のジェフ・ハウ( Jeff Howe /
http://crowdsourcing.typepad.com/ )です。いまやすっかり流行語になっ
てしまった“ロングテール”という言葉を作ったのも〈ワイアード〉の編集
長、クリス・アンダーソンでしたね。さすが九○年代からITの最先端を追
いかけてきた雑誌だけあって、ここの編集部にはコピーライター的なセンス
を持った才人が多いようです。
では、“群集”に仕事をアウトソースするとは、具体的にどのようなこと
なのでしょうか? ハウ氏が crowdsourcing を旗揚げした記事「The Rise
of Crowdsourcing」( http://www.wired.com/wired/archive/14.06/crowds.html )
に、新たに名付けるに足る“現象”が立ち上がっていることが象徴的に例示
されています。
たとえば、ウェブで写真素材の販売をしていたプロのフリーカメラマンが、
iStockphoto( http://www.istockphoto.com/ )という激安写真素材のサイ
トに客を取られて愕然とし、写真素材のストックビジネスで“プロ”が食べ
てゆくのはもはや難しいと見切りをつけたというエピソードがあります。
iStockphoto は、大勢のアマチュア写真家たちが撮影した写真素材を、わず
か一ドルからという低価格で提供するサイトだったのです。むろん、ウェブ
上で少額決済する仕組みを持っています。なにしろ、ほかのなにかに“素材”
として使うための写真ですから、額に入れて飾って愛でるような芸術作品と
はちがい、アマチュアが撮った写真でも十二分に用が足るわけですね。日用
品と化したデジタル技術の恩恵を受ければ、少なくとも、この分野ではプロ
が撮ったものもアマチュアが撮ったものも、さほど大きな差はありません。
ましてや、値段がフタケタちがったら、あなたならどちらを選びますか?
これでは、プロにしてみれば、まさに“商売あがったり”です。プロはそ
れで食べているのだから、原価割れするような値段で売るわけにはいきません。
しかし、iStockphoto に写真を提供しているアマチュアたちは、趣味の写真
が売れて、ちょびっとお小遣い稼ぎができ、自己実現の欲求も満たせるわけ
ですから、プロの百分の一ほどにもお金にならなくても、まったくかまわな
いのです。写真の提供者もハッピー、利用者もハッピー。でも、アマチュア
の腕前がプロの百分の一かというと必ずしもそうではなく、中には、諸般の
事情でたまたま職業カメラマンにはならなかったけれども腕前は玄人はだし
の人だってきっといるでしょう。選択肢の多さと対費用効果を考えれば、消
費者がどちらを選ぶかは歴然としています。面白いことに、ここではまさに
“アマチュアであるということ”そのものが競争力となってプロを退けるモ
デルが実現しているわけです。
この例からは、企業活動としてのクラウドソーシングの輪郭はまだはっき
りとは見えてきませんが、労働力の新しい調達方法に関して、非常に示唆に
富む構造は垣間見えます。ひとつひとつがあまりにちっぽけで、しかも世界
中に散在しているために、これまでは労働力として認識することすらできな
かった“労働力のかけら”を、ウェブというインフラを活用すれば、集積し
て“価値”にすることができるということが、さまざまな実践によって証明
されつつあるということなのですね。
しかし、どうも iStockphoto の例だけでは、いかに象徴的であっても、わ
れわれの日常のビジネスとは、あまり直接的には関係がないような気もしま
すよね? では、前述のハウ氏の記事が紹介している事例から、もうひとつ
挙げておきましょう。研究開発部門にお勤めの読者はすでによくご存じかも
しれませんが、InnoCentive( http://www.innocentive.com/ /日本語:
http://jp.innocentive.com/ )というユニークなサイトがあります。これ
は、研究開発上の課題を抱える企業と、世界中に散在する科学者(職業科学
者とは限りません。物理学の博士号を持っていて金融商品を企画している人
だっていますからね)とをマッチングするサイトなのです。
このサイトはこんなふうに機能します――課題の解決法を探している“シー
カー企業”は、それを InnoCentive に“チャレンジ”として公開します(企
業名は伏せられます)。「これを解決できる人、寄っといで」とばかりに、
シーカー企業からは一万ドルから十万ドルの報酬が提示されます。InnoCentive
に無料で登録している“解決者(ソルバー)”会員たちは、みごと課題の解
決法を思いついたら、それを InnoCentive に提出し、InnoCentive はそのソ
リューションをシーカー企業に転送します。要件に合うソリューションのう
ちからベストなものを提供したソルバーに、シーカー企業から報奨金が支払
われます。
企業で研究開発をしている専門家が頭を絞っても思いつかない解決法を、
きわめて多岐にわたる分野の専門知識を持ったプロ・アマ混成の科学者集団
(“科学者の集積”と言ったほうがいいかもしれませんが)の誰かがエレガン
トに見つけ出してくれるのなら、企業にとっては充分ペイするでしょう。研
究が壁に突き当たったまま、高給取りの専門職が何人も何か月も徒労に終わ
るかもしれない試行錯誤に研究費を注ぎ込むのに比べれば、最高で十万ドル
の報酬を支払っても、「信じられないくらい安く上がった」というケースも
あり得るでしょうね。
InnoCentive の強みは、ソルバーたちの専門分野や学歴やキャリアのバリ
エーションにあります。ハウ氏の記事が紹介している例では、フッ素化合物
の粉末を歯磨きのチューブに射入する際、あたりに飛び散らないようにする
方法をコルゲートが募集したところ、過去に素粒子物理を学んだものの現在
は少し畑ちがいの仕事をしている人が、“チャレンジ”を読んだとたんにあっ
さり解決してしまったそうです。そのソリューションは、「粉末を帯電させ
ればいい」というものです。化学の文脈だけで考えていたのではなかなか解
決できない課題に、物理の観点からよいアイディアが出ることが往々にして
あるらしいのですね(当然、逆もあるでしょうけれど)。一企業がさまざま
な専門分野の科学者を大勢雇用するのにはたいへんなコストがかかりますが、
InnoCentive のような仕組みを活用すれば、社外に巨大かつ学際的な知恵の
ネットワークを持っているも同じです。このような仕組みに適した課題とそ
うでない課題はもちろんあるでしょうが、研究開発のような、きわめて重要
な(大きなコストのかかる)企業活動を、こうして“クラウドソース”する
というモデルが、現に機能している点には注目すべきですね。記事によれば、
InnoCentive を利用している企業には、ボーイング、デュポン、P&Gなど
の超有名企業も名を連ねているそうです。
“クラウドソーシング”という言葉がビジネス用語として完全に定着する
のか、それとも、一時の流行り言葉に終わるのかはまだわかりませんが、言
葉がどうなろうとも、ITなくしては価値に転換することができなかった性
質の労働力を活用する、新たな調達の形態が出現していることだけはたしか
です。この“クラウドソーシング”が孕んでいる最も大きなインパクトは、
業種・業務による向き不向きはあるにしても、“プロとアマ”という二項対
立的な図式を破壊してしまうことにあるのではないでしょうか。アマがある
日お金がもらえるようになってカチャリとプロに切り替わるのではなく、プ
ロとアマの差は連続的なグラデーションを描き、先に述べたように、アマは
“アマであること”という競争力を持って、ときにプロと同じ土俵で戦った
り、あるいは、細かく階層化された市場でプロと棲み分けたりするようになっ
てくることでしょう。労働力を調達する側には、仕事の性質に応じてアウト
ソーシングとクラウドソーシングをうまく使い分けて、品質とコストの損益
分岐をコントロールし、利益の拡大を図るといった戦略・戦術が求められる
のかもしれません。
われわれ一人ひとりの身にも、今後、クラウドソーシングの影響は、多か
れ少なかれ降りかかってくるでしょう。クラウドソースする側として恩恵を
受けることもあれば、前述のカメラマン氏のように、それまではプロである
自分の仕事だったものの一部をアマチュアの群れに奪われてしまうようなこ
とも、おそらく起こってくるでしょう。クラウドソースすることも可能な分
野で活躍するプロは、ほんとうにプロにしかできない領域の仕事で、プロと
しての価値をより決定的にアピールするようなマーケティング戦術を取らね
ばならなくなってくるのではないでしょうか。どなたであれ、なにかのプロ
としてお金をもらっているわけですから、うかうかしてはいられません。で
も、いままで散在し死蔵されていた知識や労働力をお金にする考えかたが実
践されはじめたわけですから、社会全体を見れば、GDPに算入できるよう
な価値の総和は増えるはずです。そう考えれば、クラウドソーシングという
もの本質は、“細切れの価値の「見える」化”だと捉えてもよいのではない
でしょうか。
この新しい労働力が、企業の外部リソースとしてどんな可能性を秘めてい
るのか、ちょっと気をつけてウォッチしていなければなりませんね。
(本部企画室・マーケティング担当リーダー
堀江秀保/情報セキュリティアドミニストレータ)
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NCS情報マガジン〈八宝菜〉 No.031
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発行:日本コンピューター・システム株式会社
編集:日本コンピューター・システム株式会社 本部企画室〈八宝菜〉事務局
お問い合せ等は、〈八宝菜〉事務局(happosai@osa.ncs.co.jp)へどうぞ。
Copyright(C) Nippon Computer System Co., Ltd.
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