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NCS情報マガジン〈八宝菜〉 No.032 2007/02/06
日本コンピューター・システム株式会社
http://www.ncs.co.jp/newsletter/
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NCSの〈八宝菜〉です。いやしかし、なんという暖かい冬でしょうか。
少なくとも関西にいるかぎりでは、そう感じます。私の子供のころは、一月
ともなれば外では息が真っ白で、集団登校している子供同士でよくゴジラごっ
こをしていたものです。近年は、「身を切るような寒さ」で「歯の根も合わ
ない」なんてことは、ほとんどなくなったような気がします。これがほんと
うに地球温暖化の直接的影響なのかどうか、短期的には確たることは言えな
いそうなのですが、体感的には、たしかに暖かくなっているように思えます
よね。
さて、このところ、例の生活情報番組(?)の内容が捏造されていたとい
う事件がさかんに報道されています。むろん、捏造した内容をあたかも科学
的に立証された事実であるかのように公共の電波で放映するのがけしからん
ことは言うまでもありません。しかし、あのような“わかりやすすぎ、うま
すぎる話”にたちまち踊らされるほうもいかがなものかと思います。今回の
にわか納豆ブームのような狂騒的な動きを目にすると、オイルショックのと
きのトイレットペーパー騒ぎを思い出し(歳がバレますね)、私などはほとん
ど脊髄反射的に警戒してしまいます。
あの番組(にかぎらず、ああいう番組)がどうも妙であることは、科学知
識などまったくない、どこかのジャングルに住んでいる部族の老婆だって感
づくはずです。専門的な科学の知識はなくとも、科学的・合理的に考えるこ
とならできるからです。最も素朴な疑問ですが、どうしてあの手の番組は、
「○○を食べると健康や美容によい」という、なにかをプラスする話ばかり
で、「○○をやめると健康や美容によい」といった“マイナスする話”をし
ないのでしょうか? そこに、テレビという媒体そのものが持つ構造的な制
約や限界があるのでしょうけれども。「驚異!! あなたは信じられるか!?
質・量ともにバランスのよい食事をして適度な運動を継続していたら、痩せ
すぎでも太りすぎでもない均整の取れた身体にじわじわと少しずつ変わって
いった! 今夜、その秘密が明かされる!!」なんてタイトルの番組、観た
ことありますか? もっとも、あまり面白い番組ではなさそうですが……。
つまるところ、わかりやすすぎる話、うますぎる話は、警戒するに越した
ことはないということなんじゃないでしょうか。とにかく、この世はややこ
しくできているんだからしようがない。楽して望みがかなうようにできてい
るのだったら、生きていたって面白くもなんともないじゃないですか。
ITだって同じでしょう。「どんな企業でも、このシステムさえ導入すれ
ば、たちまち競争力がつき、製品やサービスの品質が上がり、顧客満足度が
向上し、売り上げは二倍、三倍に……」なーんて、わかりやすすぎ、うます
ぎる話がこの宇宙にあるわけがないのです。「納豆を一日二パック食べれば
痩せる」などと見ず知らずの人に断言されたら、「私の体質や生活習慣も知
らないのに、なぜそんなふうに断言できるのですか?」と、ふつうの人なら
至極あたりまえの疑問が湧くはずです。その疑問を大切にすることが、IT
活用の第一歩だと思います。
ITは組織の神経系です。その組織の目的や規模や成熟度やカルチャーと
不可分に絡み合っていますし、また、絡み合わないような使いかたをしたの
では、ほとんど意味がありません。A社でうまくいったやりかたがB社でう
まくゆくとはかぎらないのです。ですから、ITの効果的な導入・活用には、
「質・量ともにバランスのよい食事をして適度な運動を継続し……」と、ま
ず、あたりまえの(耳が痛いかもしれない)助言をしてくれるパートナーが
必要です。そんなパートナーなら、あたりまえのことを踏まえたうえで、「と
くに筋肉をつけたければ、これこれこうすればよい。筋力や瞬発力よりも持
久力をつけたければ、これこれこうすればよい」と、組織の体質や身の丈に
合った個別の提案やアドバイスをしてくれるはずです。
ITの導入は、納豆一日二パックよりはずっと高くつきますから、ITパー
トナーをお選びになる際には、くれぐれもご慎重に。
(編集長)
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今号(第32号)の内容
★ NCSニュース
★ 連載コラム『みちこのIT活用講座』
第9章 “IT経営(2)”
★ セミナー・イベント・展示会等のご案内
(1)『 UMLセミナー
〜 活用と技術者育成 業務システムから組込みソフトまで 〜』
(2)『関西ノムラ資産管理フェア 2007』
★ ITエッセイ『たじたじ争論』
第三二回「CGM Consumer-Generated Media」
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売れ残った商品の扱いに、いったい、どれだけの時間を費やすのですか?
アパレル専門店のMD支援は、〈MD・Creator〉が“5適”を満たします!
http://www.ncs.co.jp/solution/sol05.html?code=hps032
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★ NCSニュース ――――――――――――――――――――――――☆
――〈お知らせ〉―――――――――――――――――――――――――
■NCSウェブサイトをリニューアルしました。
http://www.ncs.co.jp/index.html?code=hps032
■業務業種別 DWH データ分析テンプレート〈Bldjar(ビジュアル)〉のスタン
ドアロン版を発売しました。
http://www.ncs.co.jp/press_release/ncs_press_release_2006110101.pdf?code=hps032
■画像処理技術の専門誌〈画像ラボ〉(2006年12月号/日本工業出版)に、弊
社の独自技術[テピンオート(TepinAuto)](国際特許出願中)に関する論文
『手ブレ・ピンボケ写真画像に対する、パラメーター入力一切不要の画像先鋭
化法 全自動・画像先鋭化アルゴリズム「テピンオート」について』(弊社・
テピンオートプロジェクト プロジェクトマネジャー 柳田俊一)が掲載され
ました。
■〈日経コンピュータ〉誌(2007年1月8日号)の「追跡!注目プロジェクト」
にて、弊社が手がけた栗本鐵工所様のシステム開発事例が「“儲かる工場”支
える生産管理 プロトタイプで異文化を統合 2工場3種の生産方式の収益を
一元管理」と題して紹介されています。
――〈NCSウェブサイト・最近の更新内容〉――――――――――――
■「投資家情報」に、以下の最新情報を掲載しています。
http://www.ncs.co.jp/ir/index.html?code=hps032
●お知らせ
・業績予想の修正に関するお知らせ
●財務情報
・平成19年 3月期 第3四半期財務・業績の概況(連結)
●IRレポート
・第41期 中間期 ビジネスレポート(事業報告書)
・第41期 有価証券報告書 半期報告書
★NCSウェブサイトでは、更新情報のRSSを提供しています。NCSか
らのお知らせを迅速にキャッチしていただけます。Windows Vista でいよい
よ手軽に使えるようになったRSSを、ぜひご活用ください。
http://www.ncs.co.jp/rss/index.html?code=hps032
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★ 連載コラム『みちこのIT活用講座』 ―――――――――――――――☆
第9章“IT経営(2)”
新しい年になって早ひと月。今年は暖冬のようで、あまり冷え込む日が多
くはないですが、それでも電車に乗ってなどいますと、風邪をひいている方
が見受けられます。みなさまお変わりはございませんか。そろそろ花粉症対
策を始めないと……という方もいらっしゃるでしょうね。マスクをされると、
効果があるようですよ。それでは黄砂に負けない勢いで、今回も元気に「I
T活用講座」をお届けしましょう。
今回のキーワードは、前回に引き続きまして“IT経営”です。
前回のおさらいをしますと、「自社の経営戦略に沿ったIT活用をしてく
ださいね」、「会社全体として最適化してくださいね」ってことをお話しま
すと、「うちにはITなんていらない」「パソコン1台ありゃいいんだ」なん
ておっしゃる中小規模企業の経営者の方がいらっしゃいます。しかし、「I
Tなんて自社には関係ない」と思っているうちに、気がついたら周りはすで
にIT化が進んでいて、自社は取り残されているといったことになりつつあ
りますよ、というお話をしていました。
そして今回はそういった、企業を取り巻く環境の変化についてお送りしま
す。
まず、国策として。「e−Japan戦略」から現在で6年が経ちました。
昨年からは「IT新改革戦略」としてさらに次のステージへ。情報インフラ
の拡充の後、着々とITを活用した制度が進められてきています。「電子政
府」を構築し、行政にITを活用して業務改善を図っていく、ということを
やっています。
遠いところでお上がやってる……ことではないですよ。これに沿って、地
方自治体も動いています。
大阪府は、平成19年度中には電子入札による一般競争入札を全業種にお
いて本格導入します。平成20年度から全工事の入札を電子入札で行うと発
表しています(平成19年度から1千万円以上の工事について電子入札)。
つまり、あと1年2ヶ月後には、大阪府の公共工事を請けたいと思うと、
全員が電子入札に参加しなくてはならなくなるのです。これは、公共工事に
関する透明性と客観性をより一層向上を図るとともに、コスト縮減化の実現
のため、とのことです。物品等の調達に関しても、順次電子入札化していま
す。
昨年12月18日の全国知事会で採択された、「都道府県の公共調達改革
に関する指針(緊急報告)」に、「3年以内に全面導入することを目指すべ
き」と書かれています。他の自治体も速度に違いはありますが、全面電子化
の波が押し寄せています。
電子入札はひとつの例ですが、行政もITによる業務改善・改革を行って
いて、その余波が民間企業に影響していることがお分かりいただけますでしょ
うか。
「公共事業は請けないから」、「取引先は民間の中で限られていて、皆I
T関係ないから大丈夫」なんておっしゃっる方はいらっしゃいますか。
顧客や仕入先などの取引先が、大手・中堅企業、またはその関連であれば、
すでにIT化は済んでいるか、準備を整えています。いつ、電子商取引を求
められるか分かりませんし、少なくともFAXよりメールでのやり取りを求
められるようになってきています。セキュリティ面、大丈夫ですか。
もう待ったなし、というところまで来てしまいました。まだの方はとにか
く始められることをお勧めします。ただし、ただパソコンを買ってきておし
まい、じゃないことは、この連載で何度も述べてきたことですね。そう、「経
営戦略に沿ったIT導入を」。それが「IT経営」なのです。
前回の繰り返しになりますが、この機会にバックナンバーも読み返してみ
てくださいね。
今回はここまでです。またお会いしましょう。
(本部企画室 企画・コンサルティンググループ
山中美智子/ITコーディネータ)
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― 「ニニニニ ――――――――――――――――――――――――――――
|| ∩ ∩||
|| ー || ご相談ください IT経営のお手伝いを。
ニニニニ」
━┷┷━ _ 中小企業「だからこそ」できる目から鱗のIT活用を、
[圭圭圭圭圭] ヽ ITコーディネータ有資格者がご指南いたします。
ノ consult@ncs.co.jp
―――― ⊂∋´―――――――――――――――――――――――――――
★ セミナー・イベント・展示会等のご案内 ――――――――――――――☆
(1)『 UMLセミナー
〜 活用と技術者育成 業務システムから組込みソフトまで 〜』
●詳しくはこちら↓
http://www.ncs.co.jp/tech/seminar/uml_seminar.htm?code=hps032
ソフトウェア開発技術者の共通意思疎通基盤として、その普及にはますます
拍車がかかりつつある UML(Unified Modeling Language)について、下記の
四点を中心にお話しいたします。また、UML モデリングツールとして定評のあ
る「パターンウィーバー PatternWeaver」を併せてご紹介します。
・ UML を実践的に活用する際のポイント
・ UML とモデリングの活用例
・ UML 関連の最新動向
・ UML 技術者の育成と認定資格
【日 時】 2007年2月28日(水)13:30 〜 16:30
【会 場】 大阪市中央区城見1−3−7 松下IMPビル 16F
日本コンピューター・システム株式会社
本社 セミナールーム
【主 催】日本コンピューター・システム株式会社
【共 催】株式会社テクノロジックアート
【協 力】株式会社 UML教育研究所
【定 員】30名様
【参加費】無料
【お申し込み】↓こちらのページからお申し込みください。
http://www.ncs.co.jp/tech/seminar/uml_seminar.htm?code=hps032
(2)『関西ノムラ資産管理フェア 2007』
●詳しくはこちら↓
http://www.ncs.co.jp/trade_show/kansai_nomura_shisan_kanri_fair_2007.html?code=hps032
弊社・日本コンピューター・システムは、このたび個人投資家のみなさまに対
し、資産管理と投資に必要な知識や情報、および、企業によるブース展示・説明
を通じて企業情報収集の場を提供することを目的とした『関西ノムラ資産管理フェ
ア 2007』に出展いたします。
弊社ブースにおきましては、会社説明等を通じて弊社へのご理解をより深めて
いただきたいと思っております。みなさまのご来場を心よりお待ち申し上げてお
ります。
【日 時】2007年2月16日(金)〜17日(土) 9:00 〜 18:00
【会 場】京セラドーム大阪
【主 催】野村證券株式会社
【参加費】無料
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★ ITエッセイ『たじたじ争論』 ―――――――――――――――☆
第三二回「CGM Consumer-Generated Media」
この言葉はそれほど新しいものではなく、二、三年前からちょくちょく目
にするようにはなっていました。読んで字のごとく「消費者によって生成さ
れるメディア」、一般には「消費者生成メディア」「消費者発信型メディア」
などとさまざまに訳されます。具体的には、ブログ、ウェブ掲示板、SNS、
ソーシャル・ブックマークなどなどに代表される、消費者自身が生み出すコン
テンツの伝播や相互連繋が連鎖的に発生し得るインフラを、“メディア”と
して捉えた言いかたです。いわゆる“電子クチコミ”も、もはやさまざまな
形態を持つ“メディア”として、すっかり社会に定着したということなので
しょう。二○○一年、この連載の第一回
( http://www.ncs.co.jp/newsletter/happousai001.htm#tajitajisouron001 )
で取り上げた「バイラル・マーケティング」という言葉がまだ目新しかった
ころは、電子クチコミの特性が注目されはじめてはいたものの、そういう特
性を持ったさまざまな仕組みの具体像は、まだそれほどはっきりと提示され
ていたわけではありませんでした。
CGMがマーケティング的な観点から非常に注目されているのは、その広
告効果がきわめて高いからです。一般に、消費者に対して最も説得力があり、
購買行動を起こさせる可能性の高い情報は、他の消費者が発信している情報、
友人や知人からの情報なのです。これは、さまざまな調査や実験で示されて
います。むろん、いついかなるときでも成り立つ絶対普遍の法則ではありま
せんが、特殊な条件がないかぎり、とりあえずは前提にしてもさしつかえな
い認識と言えましょう。
たとえば、とても人気のあるAさんの個人ブログで「新発売のデジカメを
買った」という話が出たとしましょう。そこには、そのデジカメを選ぶに至っ
た経緯や、使用した感想や、そのデジカメで実際に撮った写真が掲げられ、
主観的な好みについてばかりでなく、デジカメに詳しい人なら納得するよう
な客観的な性能評価なども添えられています。設計上のちょっとした欠点に
苦言を呈しているものの、概ね、そのデジカメはよい製品であるという印象
を与えるような記事であったとしましょう。
さて、Aさんのこの記事に感銘を受けたBさんは、自分のブログで同じ製
品を話題にするときにAさんの記事を紹介し、Aさんの当該記事に向けて「ト
ラックバック」という仕組みを利用するための命令を送信します。すると、
(Aさんのブログのシステムがトラックバックを受け付ける設定になってい
れば)Aさんの当該記事にBさんの記事へ向けてのリンクが現れます。つま
り、「Aさんのこの記事は、Bさんのブログで話題にされました(Bさんの
ブログからリンクを張られています)」ということが、Aさんのブログの読
者に明示される仕組みになっているのです。これが、ブログの強いクチコミ
力を支える機能のひとつ、「トラックバック」です。
本来は、「Aさんの記事に現れているBさんの記事へのリンクは、Aさん
の記事に言及しているBさんの記事へと“トラックバック”している」とい
うふうに解釈するのが正しいのですが、Aさんのブログのシステムに対して
「うちの記事にそちらからトラックバックしてね」という依頼を出すのはB
さん側のブログのシステムなので、ふつうは、この「相手のブログのシステ
ムに対して、トラックバックするように依頼する命令を送信する行為」を指
して、「Bさんが(Aさんに)トラックバックを打つ」というふうに言い慣
わされています。「トラバ」なんて略して言うブロガーも多いですね。
ちょっとややこしい方向へ深入りしてしまいました。本題に戻りましょう。
このようにして、通常のリンクやトラックバックによって、関心領域の似た
人々のブログは芋づる式に繋がってゆきます。その情報伝播のスピードと広
がりたるや、ほんの数年前のウェブともまるで比較になりません。まさに“燎
原の火のよう”という形容がぴったりです。また、ブログは(基本的には)
利害関係のない個々人が勝手に書いているものですから、ある商品を褒める
人、貶す人、長所・短所を一覧表にしてみる人などなど、ひとつの対象に関
して、じつに多面的な意見や評価が出現します。取るに足らない稚拙な決め
つけがあるかと思えば、感嘆するような鋭い分析もあります。それらがリン
クやトラックバックによって繋がっているわけですから、さまざまな見解を
効率よく追いかけてゆくことができるのです。「下手なマスコミの記事より、
多数のブログを読むほうが、自分の頭で考えて意見形成ができる」といった
ことを言う人すらいます。こういう媒体をマーケティングに使いたくならな
いほうが不思議でしょう。
代表的な例としてブログを挙げましたが、CGMと分類される他の媒体(ウェ
ブ掲示板、SNS、ソーシャル・ブックマークなど)も、多かれ少なかれ、
こうした“不幸の手紙”的な(言葉は悪いのですが)連鎖反応を生む仕組み
になっています。こんな立派な“媒体”が、どのようにマーケティングに利
用できるのか、目下、さまざまな模索が進んでいます。
個人のブログを媒体にしたマーケティング方法のうち、とくにしばしばみ
なさんの目に触れているのは、コンテンツ連動広告でしょう。Google の AdSense
というサービスで有名なこの方式は、ブログに書かれている内容に連動した
広告をそのブログに自動的に表示することで高い広告効果を狙ったものです。
デジカメのことが詳しく書いてあるブログであれば、写真関連の商品やサー
ビスの広告が表示され、そこを読んでいる人にアピールする可能性が非常に
高くなるというわけです。ブログの来訪者が広告をクリックすると、ブログ
の運営者にも Google から手数料が支払われるので、ブログを持っている多
くの人が、ちょっとしたお小遣い稼ぎに AdSense を利用しています(ドル建
ての小切手払いなので、けっこう換金が面倒みたいですけど……)。でも、
少なくとも日本国内では、ふつうの人がこれで生活しようなんてことは考え
ないほうがいいと思いますね。よほど特殊な才能に恵まれた人ならいざ知ら
ず、生活できるほどの手数料を稼げるだけのアクセスを安定的に得ようとす
るなら、ネットの“こちら側”でふつうの仕事をしているほうがまだまだずっ
と割に合うはずです。
不労所得(?)を得ようとするあまり、迷惑メールを乱発したり、内容的
になんの関係もない他人のブログにトラックバックを打ちまくったり(これ
は「トラックバックスパム」と呼ばれ、ブロガーにたいへん嫌がられていま
す)、あの手この手の阿漕な方法で自分のブログに人を呼び込もうとしてい
る人を見ると、なんだかこっちまで恥ずかしくなってきます。世の中うまく
したもので、価値を生み出さずにお金を稼ぐ方法なんて、そうそうあるもの
ではありません。もっとも、為替レートの魔法で、発展途上国などでは、AdSense
でふつうに稼げる程度のドルでも、国内通貨でけっこうな額の収入になるの
だそうで、ほんとうにそれで“食える”ような人も現れているということで
す。
コンテンツ連動広告のほかにも、ブログの記事(エントリー)そのもので
商品やサービスを宣伝してもらおうという方法もあります。ブログの主は、
モニターとして商品やサービスを利用し、「これは○○社の広告です」と明
示したうえで、その商品やサービスのレビューを書くわけです。広告だと自
己申告しているのですから、読むほうもさほど悪い印象は受けません。むし
ろ、実際に商品を試してみた消費者が良いところも悪いところも自分の言葉
で書くのですから、広告主や広告意図の不明瞭な胡散臭い広告よりも、よほ
ど信頼できる印象を与えます。
ただし、この方法は諸刃の剣で、広告であることを明示しないで、“やら
せ”じみたことをしてしまうと、たいへんな逆効果になります。以前、某大
手情報家電メーカが、あたかも一個人モニターのブログであるかのような体
裁で商品の宣伝をし、それが企業の息のかかったブログだと見破られてしまっ
たことがあります。ブログに掲載されていた写真を見ただけで、撮影に使わ
れている照明器具や技法が、まず素人のものではあり得ないことを指摘する
人たちが現れ、たちまち批判が噴出したのです。そうしたやりかたにはウェ
ブの個人消費者たちはたいへん敏感で、そのブログは「自作自演」などと批
判の嵐に晒され“炎上”(膨大な数の批判コメントが書き込まれること)し、
閉鎖に追い込まれてしまいました。
この事件は、企業がCGMをマーケティングに用いる場合の問題点を如実
に浮き彫りにしています。企業は、マーケティング活動を“コントロール”
したがります。それは企業活動であるかぎり、当然のことです。しかし、C
GMのような Web 2.0 の思想を体現する自発的多方向コミュニケーションを
基盤としている媒体のダイナミズムは、外部からのコントロールを拒むとこ
ろにこそ成立している性質のものです。また、企業というヒエラルキーを持
つ構造体の活動と、すべてがフラットで自由自在に連繋してゆくCGMの力
学とは、さしずめ水と油で、簡単には馴染みそうにないものです。旧来の企
業の論理で安易なCGM利用にアプローチすると、大きなしっぺ返しを食ら
う危険性があるでしょう。
それでもCGMは、マーケティング的に非常に魅力的なメディアです。そ
のダイナミズムを殺すことなく、いかにビジネスに役立てることができるか
──この非常に難しい挑戦をはじめている企業も、少なからず現れてきてい
ます。これはあくまで私見ですが、結局のところ、企業の側が変わってゆか
ないと、CGMという荒馬をうまく乗りこなすことはできないのではないで
しょうか。まだ見ぬ未来のマーケティングへ向けて、いまウェブで行なわれ
ているさまざまな試行錯誤は、ひとつひとつがとてもエキサイティングです。
企業には、個人とちがって、数多くの制約があります。Web 2.0 といった、
新しいIT利活用のパラダイムが台頭してきていることを十分認識している
にもかかわらず、手枷足枷が多くて、ひょいひょいと新技術を取り入れるわ
けにもいかない面が厳然としてあるでしょう。レガシーシステムとの連繋、
内部統制、セキュリティー、危機管理、個人情報管理等々、おろそかにでき
ないことどもが足元に絡みついて、個人ほど身軽に Web 2.0 的な使いかたに
飛びついてゆけない憾みがあるのです。じつは、Web 2.0 的であると呼ばれ
ている仕組みやサービスには、目の覚めるほど新しい技術が使われているわ
けではありません。むしろ、以前から存在した技術が、その威力を発揮でき
る“新しい使いかた”と結びついて脚光を浴びているといったところでしょ
う。この“技術が新しいというよりは、使いかたが新しい”という点こそが、
企業の取り組みの前に立ちはだかる大きな難関なのだろうと思います。
しがらみが多くて身軽には動けない企業を尻目に、個人消費者は新しいI
Tの使いかたを軽やかに生活に取り入れてゆきます。実際、現時点では、概
して、個人消費者のほうが企業よりも進んだITの使いかたをしています。
野村総合研究所は、こうした現象を「産消逆転」という面白い造語で呼んで
います。つまり、産業向けの活用形態と消費者向けの活用形態とが、進歩の
レベルに関して逆転している段階だというのですね。このような産消逆転現
象は、過去にもいくつかの分野で生じていたことを野村総研は指摘していま
すが、ここ二、三年のCGMの勃興を見ていると、今回のは社会にかなり大
きな変化をもたらす逆転にちがいないと思えてきます。
この先、企業がCGMと Win-Win の関係になれるのかどうか、片時も目が
離せない今日このごろです。
(本部企画室・マーケティング担当リーダー
堀江秀保/上級システムアドミニストレータ)
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NCS情報マガジン〈八宝菜〉 No.032
日本コンピューター・システム株式会社 http://www.ncs.co.jp/
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発行:日本コンピューター・システム株式会社
編集:日本コンピューター・システム株式会社 本部企画室〈八宝菜〉事務局
お問い合せ等は、〈八宝菜〉事務局(happosai@osa.ncs.co.jp)へどうぞ。
Copyright(C) Nippon Computer System Co., Ltd.
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