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NCS情報マガジン〈八宝菜〉 No.033 2007/08/10
日本コンピューター・システム株式会社
http://www.ncs.co.jp/newsletter/
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NCSの〈八宝菜〉です。前号からずいぶんと間があいてしまいましたが、
いかがおすごしでしょうか?
いきなり私事になりますが、私はいま四十代の半ばです。人類が月面に着
陸するという大事件の興奮を子供心に共有しましたし、家にカラーテレビが
やってきた記念すべき日を体験しています。赤ん坊のころには東京オリンピッ
クを見ている(?)はずですし、大阪の万国博覧会では、同世代の多くの人
と同じく“月の石を見られなかった”ことが思い出になっています。
そんな、けっこう起伏に富んだ時代を生きてきたつもりの中年オヤジにとっ
てさえ、ここ十年ばかりの世界の変化は、それまで経験した三十数年間の変
化をはるかにしのぐ、ものすごいものに感じられるのです。まるで、過冷却
された水がなにかの刺激でたちまち氷結してゆくかのようで、“相転移”と
でも呼ぶにふさわしい変化を毎日眺めている感じです。こんなむちゃくちゃ
に面白い時代に生まれ合わせることができて、ほんとうにラッキーだなあと
しみじみありがたく思っています。もっとも、いま中学生くらいの子供たち
から下は、そのものすごい変化の時代しか知らないわけですから、彼ら彼女
らが世の中をどのように見ているのかは、もはや想像の埒外ですね。
そんな子供たちが、あと十年もすれば会社に入ってくるかと思うと、空恐
ろしいものがあります。「年上の先輩から学ぶことなどなにもない」なんて
新入社員に言われない程度には、世の中について行かにゃなあと思う今日こ
のごろです。
(編集長)
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今号(第33号)の内容
★ NCSニュース
★ コラム『まさおのSE日記』 [1]集中と分散
★ 連載コラム『みちこのIT活用講座』 最終章
★ セミナー・イベント・展示会等のご案内
(1)『SCM最適化事例紹介セミナー』
(2)『マイクロソフト ビジネスフォーラム 2007
経営力革新計画─社員の力、活用してますか?』(大阪会場)
(3)『第34回 国際福祉機器展 H.C.R.2007』
★ ITエッセイ『たじたじ争論』
第三三回「行動ターゲティング広告 Behavioral Targeting Advertising」
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売れ残った商品の扱いに、いったい、どれだけの時間を費やすのですか?
アパレル専門店のMD支援は、〈MD.Creator〉が“5適”を満たします!
http://www.ncs.co.jp/solution/sol05.html?code=hps033
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★ NCSニュース ――――――――――――――――――――――――☆
――〈お知らせ〉―――――――――――――――――――――――――
■弊社の独自技術「全自動・手ブレ&ピンボケ修正アルゴリズム群[テピン
オート]」で、このたび特許を取得いたしました(平成19年2月16日/
特許第3915037号)。
http://www.ncs.co.jp/oshirase_list.html#news2007030701?code=hps033
■「NCS技報 > イノベーション」に、「直感的・画像色調変換アルゴリズ
ム[イメチェンジャー]」(国際特許出願中/発明者:柳田俊一)の概説を掲
載しました。
http://www.ncs.co.jp/oshirase_list.html#news2007052201?code=hps033
――〈NCSウェブサイト・最近の主な更新内容〉――――――――――――
■ACUCORP社の買収に伴う、弊社の〈ACUCOBOL〉取り扱いについて
http://www.ncs.co.jp/solution/acucobol/index.html?code=hps033
■「投資家情報」に、以下の最新情報を掲載しています。
http://www.ncs.co.jp/ir/index.html?code=hps033
●お知らせ
・人事異動のお知らせ
・親会社等に関する事項について
・自己株式の処分に関するお知らせ
・子会社代表取締役の異動に関するお知らせ
●財務情報
・平成20年3月期 第1四半期財務・業績の概況
●IRレポート
・第41期 ビジネスレポート(事業報告書)
・第41期 有価証券報告書
・有価証券報告書の訂正報告書
●業績ハイライト 【新設】
http://www.ncs.co.jp/ir/performance_highlights.html?code=hps033
●IRカレンダー 【新設】
http://www.ncs.co.jp/ir/ir-calendar.html?code=hps033
★NCSウェブサイトでは、更新情報のRSSを提供しています。NCSか
らのお知らせを迅速にキャッチしていただけます。Windows Vista でいよい
よ手軽に使えるようになったRSSを、ぜひご活用ください。
http://www.ncs.co.jp/rss/index.html?code=hps033
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★ コラム『まさおのSE日記』 ―――――――――――――――――――☆
[1]集中と分散
この激動の20年間のコンピューターシステムの移り変わりを見てきまし
た、現役システムエンジニア……プログラマーでしょうか? 谷 雅夫です。
昔から言われているいい言葉がありますね。「温故知新」です。温故知新
とは古きをたずねて新しきを知る。もしくは、古きを温めて新しきを知る、
という意味ですね。そこで、私の経験した20年を振り返って“新しき”を
見つけていきたいと思います。
さて、それではまいりましょう。今回はコンピュータシステムのコンセプ
トの移り変わりを見ていきましょう。
私が入社したのは昭和だったころ(古い?)。当時は汎用機が全盛の時代
でした。汎用機のCOBOL言語を使いこなせておれば一生食べていけると
まで言われていた時代です。
それから10年ほどたった頃にダウンサイジングという手法が出てきまし
た。
当時は、高度な処理を汎用機1台に集約して処理を行っていましたが、よ
り高機能な処理を追加しようとすれば高性能な汎用機が必要になります。そ
こで、汎用機の処理の一部または全部をパーソナルコンピューターやワーク
ステーションコンピューターに分散して処理を行わせます。これが、ダウン
サイジングです。
これにより、高機能な汎用機を1台導入するよりも、既存の汎用機にパー
ソナルコンピューター等を機器追加し連携システムを構築投資する事で全体
的には安価に導入できました。
その後数年が経ち、今度は汎用機の価格が安価で高性能な装置になってき
ましたので、今までとは逆に一極集中化してコスト(ハード費、ランニング
費[電気代等]、管理費[汎用機用の専用部屋])を削減しようとの動きが
出てきました。これは、先ほど説明したダウンサイジングによってパーソナ
ルコンピューターなどに処理を分散していた部分を、今度は処理を簡素化し
て汎用機だけで処理を行うようにしたものです。
また、以前は小さな汎用機を各拠点ごとに分散配置し、拠点ごとに処理を
行って管理していましたが、処理能力を上げて汎用機を統合し、拠点ごとに
行っていた処理を並行に行うようにシステムを変更しても、全体的なコスト
が以前と比べて激減しました。
しかしそれも、その後さらに数年たった現在では、高性能なサーバー機が
汎用機に取って代わっています。高性能なサーバー機には、それを支える多
種多様な開発ツールもあります。これにより、目的にあったWEBアプリケー
ションがより開発しやすくなってきたのです。
弊社は、汎用機の時代からWEBアプリケーションへの移り変わりの激動
の時代を、お客様とともに歩んで参りました。近年では汎用機システムから
WEBシステムに切り替えを行いたいというご要望も多くあります。お客様
から今までの操作性を大きく変えることなく移し変えたいとのご要望もいた
だいています。こういったご要望にお答えするべく、日夜お客様の目線に立っ
て一丸となってシステム構築をしてまいります。
では、またお会いする日まで……。
(ソリューション事業本部 第二システム事業部
第二ソリューションシステム部
リーダー 谷 雅夫/第1種情報処理技術者)
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★ 連載コラム『みちこのIT活用講座』 ―――――――――――――――☆
最終章
今年ももうあっと言う間に夏休みです。朝の駅には、大きな荷物を抱えた
子供たちの歓声があふれるようになりました。晴天が続いていて空梅雨かなぁ
と思いきや、先月に入ってから梅雨前線や台風の影響で豪雨が続いています
ね。新潟では大きな地震も起こりました。みなさまがお住まいのところは大
丈夫でしょうか。それでは台風をも吹き飛ばす勢いで、今回も元気に「IT
活用講座」をお届けしましょう。
今回は、「みちこのIT活用講座」最終章をお送りします。
平成16年の9月からですから、アテネオリンピックの興奮冷めやらぬ頃
から連載して参りました。いかがでしょうか、この3年弱を振り返ってみて
ください。何か周りの環境が変わりましたか。
「e−Japanからu−Japanへ」と言われたのも3年前のこと。
今は国の政策もどんどん変化しており、昨年からは「IT新改革戦略」に沿っ
て進められています。
それと同時に、J−SOXなどの関連から企業の「内部統制」が声高に言
われていますが、内部統制の中には「IT統制」も含まれています。企業の
IT面の内部統制ですね。日本の国策としてはもう、ITありきで考えられ
ているのです。企業はIT導入しているでしょう、と。
「でもそれって大企業だけの話で中小企業には関係ないんじゃないの?」
と思われがちなんですけれど、全く関係ない話ではないですよ。例えば、取
引先が該当する大企業でしたら、関係先として同じように統制を求められる
場合があります。中小企業の方も、備えておく必要があるわけです。
では、内部統制・IT統制って何から始めればいいのでしょうか。
今の業務を整理して、現在どうやって運用しているのか、誰が(どこの部
署のどの立場の人が)どうやって業務を進めているのかをまずは、把握して
ください。
自社のことは、ご自分たちが一番分かってらっしゃるはずなのですが、整
理しないと見えるものもなかなか見えてきません。整理して、誰が見ても分
かるように「業務フロー」などの図を描いてみます。これが昨今よく言われ
ている「見える化」なのです。
「見える化」して、業務を整理して把握してらっしゃる企業の方や、経営
戦略に沿ったIT導入をして「IT経営」してらっしゃる企業の方には、内
部統制は特別慌てることではないでしょう。
もし不安やご心配がある方は、お近くのITコーディネータにご相談くだ
さいね。
さて、いよいよお別れが近づいてきました。ずっと読んでくださっていた
方もいらっしゃれば、今回初めて読んだのにいきなり最終章?と思ってらっ
しゃる方もいらっしゃるでしょう。バックナンバーをWEBサイトで公開し
ていますので、読み返してみてくださいね。
「みちこのIT活用講座」をご愛読いただきまして、ありがとうございま
した。またどこかでお会いしましょう。(意外とすぐにお会いできるかも!?)
(本部企画室 企画・コンサルティンググループ
中小企業ビジネス担当リーダー
山中美智子/ITコーディネータ)
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― 「ニニニニ ――――――――――――――――――――――――――――
|| ∩ ∩||
|| ー || 中小企業向けIT経営ソリューション〈礎〉
ニニニニ」 http://www.ncs.co.jp/solution/sol18.html?code=hps033
━┷┷━ _ 「一歩踏み出すIT経営」ご用命は
[圭圭圭圭圭] ヽ ITコーディネータまで
ノ consult@ncs.co.jp
―――― ⊂∋´―――――――――――――――――――――――――――
★ セミナー・イベント・展示会等のご案内 ――――――――――――――☆
(1)『SCM最適化事例紹介セミナー』
●詳しくはこちら↓
http://www.ncs.co.jp/seminar/forecastpro_seminar.htm?code=hps033
世界の20,000社以上の先進企業で採用されている需要予測支援シス
テム〈ForecastPRO〉を実際にご導入いただいた企業様の成功事例をご紹介す
るセミナーです。
【日 時】 2007年9月5日(水)14:00 〜 16:30
【会 場】 大阪市中央区城見1−3−7 松下IMPビル 16F
日本コンピューター・システム株式会社
本社 セミナールーム
【主 催】日本コンピューター・システム株式会社
【定 員】30名様
【参加費】無料
【内 容】【第1部】 需要予測の必要性と活用方法
【第2部】 需要予測ソフト 世界シェアNo.1! ForecastPRO の
ご紹介
【第3部】 需要予測ソフト活用成功事例のご紹介(製造業)
【お申し込み】↓こちらのページからお申し込みください。
http://www.ncs.co.jp/seminar/forecastpro_seminar.htm?code=hps033
(2)『マイクロソフト ビジネスフォーラム 2007
経営力革新計画─社員の力、活用してますか?』(大阪会場)
●詳しくはこちら↓
http://www.microsoft.com/japan/events/mbf07/
弊社は、「中小企業向けIT経営ソリューション〈礎〉」および「業務業
種別 DWHデータ分析テンプレート〈Bldjar〉」を出展いたします。
【日 時】2007年9月4日(火) 09:00 〜 17:45
【会 場】帝国ホテル大阪
【主 催】マイクロソフト株式会社
【参加費】無料(要・事前登録)
【事前登録】↓こちらのページからご登録ください。
http://www.microsoft.com/japan/events/mbf07/
(3)『第34回 国際福祉機器展 H.C.R.2007』
●詳しくはこちら↓
http://www.hcr.or.jp/exhibition/exhibition2007.html
弊社は、「福祉用具レンタル業務管理ソフト〈S・W・A・T「レンタル
の達人」〉」を出展いたします。
【開催日】2007年10月3日(水) 〜 5日(金)
【会 場】東京ビッグサイト
【主 催】全国社会福祉協議会
保健福祉広報協会
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★ ITエッセイ『たじたじ争論』 ―――――――――――――――☆
第三三回「行動ターゲティング広告 Behavioral Targeting Advertising」
この言葉は、最近にわかにマスコミにも頻繁に登場するようになってきて
いますから、あまりITに関心のない方でも、目にした覚えがおありかもし
れません。あるいは、みなさんが意識していないだけで、この手法によって
表示されている広告をすでにご覧になっているかもしれません。
行動ターゲティングとは、ウェブ利用者の行動履歴から、嗜好や関心を推
測し、それに基いて利用者を分類する手法で、昨今、ウェブマーケティング
の世界でホットな話題となっています。
旧来のウェブ広告の手法から順を追ってご説明しましょう。
たとえば、釣りに関するサイトに釣り道具が広告されているのは、まあ、
あたりまえですよね。釣りに関する情報サイトに、釣り道具の通販サイトの
バナーが貼られているといった場合、これは釣り雑誌に釣り道具の広告を掲
載しているのと本質的には同じで、“媒体ターゲティング”と呼ばれます。
一歩進んで、釣りが好きな人の書いているブログの内容を自動的に解析し、
クロダイ釣りに関して書いてあるエントリーがアクセスされたときにはクロ
ダイ用の道具の広告を、ヘラブナ釣りについて書いてあるエントリーならヘ
ラブナ用の道具の広告を出すという手法があります。この手法では、広告を
表示するページのコンテンツによって自動的に広告の内容を変えるわけです
から、むろんそういうシステムが必要になります。このような広告配信の方
法を“文脈ターゲティング”と呼びます。広告の種類としては“コンテンツ
連動広告”などと呼ぶこともあります。おそらく、みなさんがいま最も頻繁
に目にするのは、このタイプの広告でしょう。ブログでよく利用されている
Google の AdSense や、アマゾンの「おまかせリンク」などがこれに当たり
ます。ウェブページの内容をソフトウェアで自動解析させているわけですか
ら、あまり文脈とは関係ない頓珍漢な広告が表示されてしまうことも、ある
程度は避けられません。「ほしのあき」について書かれたページに「星野仙一」
の著書の広告が出てきたら、読んでいる人は苦笑しますよね。ですから、文
脈解析がどのくらい“賢い”かが、インフラ提供業者の大きな売りになりま
す。もっとも、「この頓珍漢な広告がなぜ選ばれたのか?」と、ソフトウェ
アの動きを推理して楽しむ“通”な方もいらっしゃるようですが。
さて、媒体ターゲティングも文脈ターゲティングも、広告が表示される“場”
に依存していることになりますが、行動ターゲティングはひと味ちがいます。
広告を見る側の“人”の行動を基盤としています。
たとえば、釣りが好きで、釣りに関するウェブサイトをしばしば訪れてい
る人がいたとしましょう。もし、その人が釣りとは関係ないサイトを訪れた
ときにも釣り道具の広告を見せることができれば、広告として効果的だと思
いませんか? それを実際に行なうのが、行動ターゲティング広告です。
「しかし、そんなことをされたら、なんだか自分のウェブ上での行動を監
視されているみたいで厭だ」とお思いになるかもしれません。たしかに以前
は、もろに個人情報を利用しようとした行動ターゲティングが物議を醸した
こともありましたが、昨今普及しつつある行動ターゲティングには、いわゆ
る“個人情報”は必要ないのです(法律の定義は横に置くとして、どこまで
を個人情報と考えるかにもよりますが……)。広告配信業者側では、「○山
○男さんがAサイトを訪れ、次にBサイトを訪れた」という情報を取得して
管理しているわけではありません。「“この特定のブラウザX”がAサイト
にアクセスし、次にBサイトにアクセスした」といった、ブラウザ単位で捕
捉した“行動履歴”情報さえあればいいのです。広告配信業者側のシステム
は、“あなた”という個人を識別しているわけではなく、“あなたが使って
いるブラウザ”を識別しているだけなのですから。○山さんがふだん使って
いるパソコンを△川に貸したら、△川さんは○山さんが興味を持つであろう
広告を見ることになるのですね。△川さんがしばらくそのパソコンを使って
いると、今度は△川さんのウェブ上の行動がターゲティングされ、次第に△
川さん向きの広告が訪問先のウェブサイトに表示されることになります。ウェ
ブ上の行動履歴だけで個人を特定することはできませんから、行動履歴その
ものは個人情報保護法に言う個人情報ではありませんが、行動履歴を利用さ
れていること自体に、なんとなく居心地の悪さを覚える人はいらっしゃるだ
ろうと思います。
たしかに、会員の個人情報を取得しているサービスのサイトが、ブラウザ
単位で識別している行動履歴情報と登録会員の個人情報とを関連付ける“名
寄せ”を行なうことは、技術的には不可能ではないでしょう。しかし、仮に
そんなことをしたとしたら、その会社はとてつもないリスクを抱え込むこと
になり、そのような個人情報の保有コストが余計にかかるばかりになってし
まいます。万一漏洩でもしようものなら、件数にもよりますが、百億や二百
億の損害ではすまないでしょう。会社存亡の危機に陥ってしまいます。そん
な危ない橋を渡って個人を識別しなくても、ブラウザ単位の識別で実質的に
充分な広告効果を上げることができるのですから、“個人情報と紐づけた行
動履歴”などという怖ろしい爆弾を、業者には好きこのんで抱え込む理由が
ないのです。むしろ、行動ターゲティング広告を行なっている業者にとって
は、「保有にリスクとコストを伴う個人情報など、極力持ちたくない」とい
うのが偽らざるところでしょう。
むろん、そのようにブラウザを識別するためには、ウェブサイトの側から、
ブラウザを通じて“クッキー( cookie )”と呼ばれる情報を利用者のパソ
コンに書き込む技術が使われることがほとんどで、昨今話題の行動ターゲティン
グも、たいていクッキーを使っています。本来、クッキーは、ウェブサイト
側からブラウザを識別することで利用者の便を図るサービスを提供するため
の技術ですから(アクセスするとちゃんと“あなた用のページ”が出てくる
サイトはクッキーを使っているのです)、これを行動ターゲティングに用い
ることの是非は、たしかに議論の分かれるところです。利用者が高い確率で
興味を持つであろう広告(つまり、利用者にとって不快度が低いと推測され
る広告)を表示するためなのだから利用者にとってもメリットがある“サー
ビス”であると考えるのか、結局広告を表示するのは広告主側の一方的都合
であって利用者の知ったことかと考えるのかは、ウェブの利用者一人ひとり
の自由でしょう。もし行動ターゲティングの対象になるのが厭であれば、ブ
ラウザのクッキーの機能をオフにしてしまえばよいのです。もっとも、そう
すると、あなたの行きつけのサイトは、あなたをあなただと(正確には“あ
なたのブラウザをあなたのブラウザだと”)認識できなくなり、黙っていて
も“あなた用のページ”を親切に表示してくれるようなことはなくなってし
まいますが……。
つまるところ、現代人は利便性と自分に関する情報とを交換して生きてい
ると言ってもよいでしょう。便利さを取るか、他人に情報を与えないことを
取るか、そのバランスを取りながらサービスを利用してゆくしかないのでしょ
うね。私自身は、結局のところ、人間は便利さには勝てないと思っています
けれども。
さて、行動ターゲティングに関するビジネス界の具体的な動向にも触れて
おきましょう。ここ数か月、日本でも行動ターゲティング関連のニュースが
堰を切ったように報じられはじめた感があります。サイバーエージェントと
ドリコムが五月に開始したユーザーマッチ型の広告配信サービス「MicroAd」
( http://www.microad.jp/ )は、コンテンツ連動型広告に行動ターゲティン
グを組み合わせたものです。同月、BIGLOBE、@nifty、@NetHome の三サイト
は、これらを横断する行動ターゲティング広告商品の開発に合意したと発表
しました( http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20349150,00.htm )。
また、Yahoo! JAPAN は、行動履歴情報にさらにデモグラフィックな属性情報
(年齢・性別など)や地域情報を掛け合わせて広告対象をターゲティングす
るサービスを七月から開始しました
( http://pr.yahoo.co.jp/release/2007/0626a.html )。
ここまでは、行動ターゲティングを“ウェブ上の行動履歴”に基いたもの
として意図的に狭く捉えてきたのですが、賢明なる読者のみなさんは、もう
行動ターゲティングの大きなポテンシャルに気づいていらっしゃるでしょう。
そう、広告のターゲットとなる人が物理的にどこにいるかを捕捉する(推定
する)技術のいくつかを、われわれはすでに日常的に利用しています。携帯
電話やモバイル端末を用いれば、現実空間での行動履歴を用いた行動ターゲ
ティングも不可能ではありません。すでにGPS搭載携帯電話を用いて現在
位置周辺の飲食店を検索するサービスなどが登場していますから、近い将来、
しばしばあちこちの歓楽街を飲み歩いて脂っこいものばかり食べているお父
さんのケータイ(かヘッドマウントディスプレイか眼鏡型の情報端末?)に、
あつらえたように(あつらえてるんですが)フィットネスクラブや健康食品
の広告がさりげなく配信されてくる……なんてことになるのにちがいありま
せん。
(本部企画室 マーケティング担当リーダー
堀江秀保/上級システムアドミニストレータ)
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NCS情報マガジン〈八宝菜〉 No.033
日本コンピューター・システム株式会社 http://www.ncs.co.jp/
RSS:http://www.ncs.co.jp/rss/ncs_new.xml
発行:日本コンピューター・システム株式会社
編集:日本コンピューター・システム株式会社 本部企画室〈八宝菜〉事務局
お問い合せ等は、〈八宝菜〉事務局(happosai@ncs.co.jp)へどうぞ。
Copyright(C) Nippon Computer System Co., Ltd.
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